眼鏡とスーツ姿の山岡とクリニック院長がトピッククラスター管理表を検討している様子

②トピッククラスター管理表の作成|記事を点で終わらせないサイト設計図

STEP 02 / TOPIC CLUSTER MAP

記事の本数を決める前に、
サイト全体の地図を作る。

ヒアリングで聞いたクリニックの哲学、得意分野、診たい患者を、検索意図とページの役割へ落とし込みます。その設計図になるのが、トピッククラスター管理表です。

管理表の列や粒度は、診療科、既存記事数、サイト規模、院内確認体制によって変えます。ここでは、実際の集患設計で使う基本構造を、可能な限り具体的に示します。

眼鏡とスーツ姿の山岡とクリニック院長がトピッククラスター管理表を検討している様子
ヒアリングで得た言葉を、記事とサイト全体の設計図へ変換する。

トピッククラスター管理表は、キーワード一覧ではない

検索数のある言葉を並べただけでは、記事は増えてもサイトは強くなりません。大切なのは、患者がどの段階で何を知りたいのか、その疑問にどのページが答え、次にどこへ案内するのかを先に決めることです。

管理表には、記事タイトルだけでなく、検索意図、診療上の重要性、ページの階層、内部リンク、公開状況、改善履歴まで持たせます。執筆前に地図を作ることで、一記事ごとの判断がサイト全体の成長につながります。

記事を増やすのではない。
患者の疑問が途切れない構造を作る。
PROBLEM 01

似た記事が競合する

同じ検索意図の記事を複数作ると、サイト内で評価を奪い合います。管理表で役割を一本化します。

PROBLEM 02

記事が孤立する

良い記事でも入口と出口がなければ読者は離れます。公開前に内部リンク元とリンク先を決めます。

PROBLEM 03

医院の強みが消える

検索数だけで選ぶと、どの医院にも書ける内容になります。ヒアリングで得た強みを優先度へ反映します。

①のヒアリングを、管理表の列へ変換する

①ヒアリングで集めた言葉は、議事録に置いておくものではありません。サイトの構造と記事の優先順位を決める条件として使います。

ヒアリングで聞くこと管理表への落とし込み設計上の意味
クリニックの哲学発信方針、避ける表現、判断基準記事全体の語り口と、医院として譲れない軸を揃える。
得意な診療・検査・治療重点クラスター、優先度、専門性検索数だけでなく、実際に選ばれる理由を強いページ群へ育てる。
診たい患者患者像、悩み、受診段階、検索意図症状を調べる段階から、受診を比較する段階までの疑問をつなぐ。
地域と競合地域語、商圏、競合ページ、差別化全国向け情報と地域で選ばれる情報の役割を分ける。
院内体制監修者、確認期限、撮影可否、公開頻度理想論ではなく、継続して公開・更新できる計画にする。
現状の数字表示、流入、予約、改善履歴新規記事と既存記事改善のどちらを優先するか判断する。

管理表に持たせる項目

列を増やせば精密になるわけではありません。誰が見ても「何を書くのか」「なぜ書くのか」「どこにつなぐのか」「次に何をするのか」が判断できる項目に絞ります。

項目群主な項目管理する理由
クラスター情報診療領域、テーマ、クラスターID、親テーマ記事を診療領域ごとのまとまりとして扱う。
患者と検索意図患者像、悩み、知りたいこと、行動段階、想定検索語キーワードではなく、検索した人の状況から内容を決める。
ページの役割ピラー、サブピラー、個別記事、比較、FAQ、受診案内同じ役割のページを重複させず、情報の階層を作る。
記事設計仮タイトル、主題、見出し案、根拠資料、監修者執筆時の迷いと、医療情報の確認漏れを減らす。
内部リンクリンク元、リンク先、アンカーの意図、補完関係記事を孤立させず、患者の次の疑問へ自然につなぐ。
制作進行優先度、担当、下書き、監修、公開日、URL、更新日執筆本数よりも、公開と改善が滞らない状態を管理する。
評価と改善Search Console、GA4、予約、AI経由の参照、改稿内容順位だけでなく、読まれ方と事業への貢献を見て次の施策を決める。

ピラー、サブピラー、個別記事の役割を先に決める

トピッククラスターは、関連記事を大量に作る方法ではありません。大きな疑問に答えるページと、具体的な疑問を深掘りするページを階層化し、互いに補完させる設計です。

LAYER 01

ピラーページ

診療領域の全体像を示す中心ページ。症状、検査、治療、受診判断への入口をまとめます。

LAYER 02

サブピラーページ

検査、疾患、治療法などの中分類を束ね、個別記事へ案内します。

LAYER 03

個別記事

一つの検索意図へ深く答え、上位ページと関連する次の疑問へ戻します。

例:内視鏡クリニックの場合

「大腸内視鏡検査」を中心に据えるなら、検査の流れ、前日の食事、下剤、鎮静、痛み、費用、ポリープ切除、検査後の注意などを、すべて同列には置きません。全体を説明するピラー、準備や鎮静を束ねるサブピラー、個別の不安へ答える記事に分けます。

ピラー:大腸内視鏡検査の全体像
サブピラー:検査前の準備と食事
個別記事:前日に食べてよいもの/下剤を飲む時間/服装と持ち物
サブピラー:鎮静と痛みへの対応
個別記事:眠った状態で受けられるか/帰宅時の注意/運転できない理由
山岡がクリニック院長にピラー、サブピラー、記事、AI検索をつなぐ構造を説明している様子
記事を点で増やさず、役割と内部リンクを決めてサイト全体を育てる。

AI検索の時代は、テーマの構造と一次情報を管理する

トピッククラスターこそ、
AI検索対策の「鍵の中の鍵」になる。

自称「AI検索の専門家」まで含め、回答文の書き方や構造化データは語っても、サイト全体の整理整頓と内部リンクをほとんど語らない人は少なくありません。しかし私は、そこが順番として逆だと考えています。

ChatGPT、Claude、Perplexity、Gensparkなどに正確に理解・参照されたいなら、先にサイトを一つの知識体系として組み立てるべきです。その中心にあるのが、トピッククラスターです。

AIは、サイト全体を毎回答えの前に読んでいるわけではない

Googleは長年、ウェブをクロールし、索引化し、ページとサイトを評価する巨大な検索基盤を積み重ねてきました。一方、各種AIサービスの仕組みは同一ではなく、自社クローラーの索引、検索事業者の結果、ユーザーの質問に応じたページ取得などを組み合わせています。

重要なのは、AIが回答するたびに、その医院サイトを最初から最後まで精読しているわけではないという点です。質問に対して検索・取得された限られたページや断片が、回答を作るための材料になります。そこで情報がばらばらなら、中心となるページを取り違えたり、必要な前提を拾えなかったり、医院独自の強みまで到達できなかったりします。

「整理されていないサイトはAIに絶対読めない」とまでは言いません。しかし、Google検索以上に、何が中心情報で、何が補足で、どのページ同士が同じ診療テーマに属するのかを、構造として明示する価値が大きいと考えています。

01 発見させる

ピラーからサブピラー、個別記事へリンクし、関連するページの存在をクローラーへ伝える。

02 代表ページを示す

同じテーマの記事を束ね、全体像を説明する中心ページがどれかを明確にする。

03 文脈を渡す

症状、検査、治療、受診判断をつなぎ、断片だけでは欠ける前提関係を補う。

04 引用できる形にする

結論、根拠、医師の見解、更新情報を整理し、回答へ採用できる明瞭な情報単位を作る。

つまりAI時代に強いのは、100本の記事が孤立しているサイトではありません。100本の記事が一つの知識ベースとして働くサイトです。トピッククラスター管理表は、その知識ベースを偶然ではなく設計して作るための台帳になります。

  • 医院独自の診療方針や判断基準が、どのページに書かれているか
  • 論文や診療ガイドラインなど、根拠となる一次情報が示されているか
  • 同じ疾患名、検査名、治療名の説明がページ間で矛盾していないか
  • 質問に短く答える部分と、詳しく説明する部分が両方あるか
  • 古い情報を見つけ、更新できる状態になっているか

AIが患者の代わりに医院を探す流れとMCPの位置づけは、MCPでクリニックの集患はどう変わるかで詳しく解説しています。

各サービスは独自の取得経路を持ちます。公式情報:OpenAIの検索掲載案内Anthropicのクローラー案内Perplexityのクローラー案内

トピッククラスター管理表を作る7段階

01
HEARING

医院の言葉を抽出する

哲学、得意分野、診たい患者、避けたい表現を設計条件にする。

02
INVENTORY

既存ページを棚卸しする

残す、統合する、改稿する、新しく作るページを分ける。

03
INTENT

患者の疑問を集める

症状、原因、検査、治療、費用、受診判断など、検索の背景を整理する。

04
GROUPING

同じ意図をまとめる

言い方が違っても答えが同じ検索語は、一つのページへまとめる。

05
HIERARCHY

ページの階層を決める

ピラー、サブピラー、個別記事の役割とURLの位置を決める。

06
LINKS

入口と出口を決める

公開前に、どのページから受け取り、次にどこへ渡すかを記録する。

07
PRIORITY

公開順を決める

医院の強み、患者ニーズ、既存評価、制作難度を見て優先順位をつける。

作った表を、形骸化させない運用ルール

管理表の価値は、きれいに完成した瞬間ではなく、毎日の制作判断に使われることで生まれます。記事公開後もSearch Console、GA4、予約時の申告内容、院内から得た新しい知見を戻し、優先順位を更新します。

一行につき、一つの検索意図にする

一つの記事へ複数の主目的を詰め込まないようにします。関連質問は持たせても、ページが最初に答える疑問は一つに定めます。

内部リンクを公開後の作業にしない

執筆指示の段階でリンク元とリンク先を決めます。公開後に思いつきで貼ると、重要ページへ評価が集まらず、患者の読み進め方も途切れます。

新規記事より、統合と改稿を優先する場合がある

既存ページが同じ検索意図を持つなら、新しく一本増やすより統合した方がよい場合があります。記事本数を成果としないための判断です。

数字と現場の両方を戻す

表示回数や流入だけでなく、実際に患者から聞かれた質問、予約につながった内容、医師が追記したい知見も管理表へ戻します。

よくある失敗

  • 検索ボリュームの大きい順に書き、医院の得意分野と離れていく
  • キーワードが違うだけの似た記事を量産する
  • ピラーページをカテゴリー一覧のような薄いページにする
  • 公開済みURLと内部リンクを管理せず、孤立記事が増える
  • 順位だけを見て、予約や受診行動とのつながりを確認しない
  • 作成時点の計画を固定し、診療内容や検索環境の変化を反映しない

この工程で残す成果物

01

サイト全体のテーマ地図診療領域と患者の疑問を、クラスター単位で一覧化する。

02

ページ階層と役割ピラー、サブピラー、個別記事の重複しない構造を定める。

03

内部リンク設計記事ごとの入口、出口、中心ページへの戻り道を決める。

04

執筆優先順位医院の強みと患者ニーズから、次に書くべき記事を明確にする。

05

制作進行表担当、監修、公開、改稿までを同じ地図の上で管理する。

06

改善記録検索、流入、予約、AI参照の変化と改稿内容を残す。

NEXT STEP 03

設計図ができたら、記事執筆へ進む。

次は、予算と院内体制に合わせて1日1〜2記事の制作ペースを決め、管理表の優先順位に沿って執筆を始めます。

③ 記事執筆を読む集患の手順一覧

この記事を書いた人Wrote this article

AIで集患している人@山岡

AIで集患している人@山岡

自社の本業は医薬部外品等のネット通販。某巨大企業の社畜マーケターとしても活動中。個人マーケと大手マーケ、社長と社畜、の両岸を現在進行形で行っているのが最大の強み。某メジャー競技で全国優勝多数の元アスリート。生活も仕事もストイックすぎて誰ともなじめず友達はいないが悩んでもいない。AIエージェントをフル活用した「集患の全自動化」に挑戦中。すでに全自動化の仕組みは完成しており現在はテストを繰り返してバグを修正中。

執筆者・監修者について

監修者Supervisor

Dr.大木 沙織(おおき さおり)

皮膚科医 / 内科専門医 / 大木皮ふ科クリニック副院長

順天堂大学医学部卒業後、済生会川口総合病院・三井記念病院にて臨床研修を修了。現在は医療法人社団緑生会 大木皮ふ科クリニック(神奈川県相模原市)副院長。皮膚疾患全般に加え、内科・総合診療にも精通。当サイトの全記事の医学的正確性の監修を担当。